一人暮らしをする上で、欠かせないのが保険の加入です。
しかし一口に保険といっても様々なサービスがあり、「どれを選べばいいか分からない」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
今回はそんな悩みを抱える人のために保険選びのポイントをまとめてみました。
まずは保険の種類を知る
保険は大きく3つの分野に分けられます。
人の生死に関わる生命保険(第一分野)、物損事故を補償する損害保険(第二分野)、そして両方の性質を兼ね備えた医療保険(第三分野)です。
日本は生命保険大国であり、その加入率はおよそ80%と言われていますが、一人暮らしであれば今すぐ入る必要はありません。
なぜなら生命保険の主な目的は自分が亡くなった後、誰かにお金を残すことだからです。
結婚や出産など家族が増えたタイミングで検討しても遅くはないでしょう。
注目すべきは損害保険
自分が事故の加害者になったとき、一番恐ろしいのは多額の損害賠償を請求されることです。
しかし前もって損害保険に加入しておけば、万が一の事態に備えることができます。
損害保険の代表として挙げられるのは火災保険と自動車保険ですが、どちらも生きていく上で必要な保険です。
火災保険とは
火災保険は賃貸契約の際、一緒に契約させられることがほとんどです。
名前の通り火事による被害を補償するためのものですが、実はそれだけではありません。
火災保険のオプションには個人賠償責任保険がついていることが多く、これがあれば日常生活で起きたトラブルや事故をカバーしてくれます。
つまり「うっかり壁に穴を開けてしまった」「大雨で床が浸水した」などの理由で物件を破損した時にもお金がもらえるのです。
賃貸であれば退去の際に原状回復義務(物件を入居時と同じ状態に戻すこと)がありますので、退去費用を抑えるためにも重要な保険と言えます。
さらに個人賠償責任保険は物だけではなく、人に対しても有効です。
たとえば「飼い犬が通行人を噛んで怪我させた」「自転車で歩行者と衝突した」などのケースでも使えます。
近年、自転車事故において数千万単位の賠償金を命じられることは珍しくありません。
年に数千円の保険料を払うだけで数千万円の借金を背負わずにすむのであれば安いものです。
火災保険は二年毎に更新する必要があるので忘れずに手続きを行いましょう。
自動車保険とは
様々な場面で活躍する個人賠償責任保険ですが、自動車やバイクの事故は残念ながら適用外となります。
そのため、一人暮らしで車の購入を考えている人は自分で自動車保険に入らなければいけません。
一般的に自動車保険と呼ばれるものには自賠責保険(強制保険)と任意保険の2種類がありますが、この2つの違いは補償範囲の広さです。
自賠責保険は事故の被害者を守るためのものであり、死傷者のいない物損事故(車や建物だけが壊れる事故)では保険がおりません。
また、万が一相手を死なせてしまった場合でも最大で3,000万円までしか保険金がもらえません。
自動車事故の損害賠償は高額になることが多く、自賠責保険だけでは足りない分を補償するのが任意保険です。
任意保険は加入者の経済的負担を減らすためのものなので、交通事故に遭った時には相手への損害賠償はもちろん、自分の車の修理代や同乗者の治療費までサポートしてくれます。
入るか入らないかは自分で選ぶことができますが、車を運転する立場であれば加入しておくのがマナーではないでしょうか。
医療保険はケースバイケース
会社勤めであれば、運悪く病気や怪我で働けなくなっても傷病手当金が支給されます。
また自営業やフリーランスでも、医療費が一日の限度額を超えた時は高度療養費制度により、払いすぎた分のお金が戻ってきます。
こういった社会保障制度のおかげで、現代では医療保険に入らなくても最低限の生活ができるようになっています。
ところが、傷病手当や高度療養費は支給される限度額や条件が細かく定められており、入院時の食事代や大部屋から個室に移る時の差額ベッド代、ガンなどの治療に使われる先進医療費等はすべて自己負担となります。
自分の身にもしもの事が起きたときに「できるだけ手厚い治療を受けたい」「貯金を切り崩しながら生活するのが不安だ」という人は医療保険をかけておくと安心です。
まとめ
結局のところ、保険にはどれを選べば正解なのかという明確な答えは存在しません。
しかし、無理にたくさん加入すると家計を圧迫する原因になってしまいます。
無駄な保険料を払わないために「自分にとって必要な補償は何か」を考え、じっくり向き合うことが大切です。